(15)「殖産興業・北海道開拓」

①殖産興業:政府は富国強兵をスローガンに殖産興業を進めた

□工部省(1870年設置)・内務省1873年設置)が推進

□外国人技師(「お雇い外国人」)を招いて近代産業を育成した

□幕府や諸藩の事業を引き継いで官営事業とした

・東京砲兵工廠(幕府の関口製作所)、長崎造船所(幕府の長崎製鉄所)など

□官営模範工場の設立

・フランスの技術を導入、ブリューナを招いて富岡製糸場群馬県に設立(1872)

富岡製糸場では士族の女性などが「富岡工女」として働いた

内務省の主催で、第1回内国勧業博覧会を開催(1877)

・機械や美術工芸品を展示

□農業分野では、駒場農学校や三田育種場が設立された


②北海道開拓

□札幌に開拓使を設置(1871)

・開拓史は、最初東京に設置された(1869)

アメリカの農政担当者のケプロン開拓使顧問とした

屯田兵制度の開始(1874):北海道の開拓と警備にあたった農兵

黒田清隆の建議で実現、士族授産の意味もあった

札幌農学校設立(1876)

ケプロンが設立の指導にあたった

アメリカからクラークを招いた

北海道庁設置(1886)

・1882年に開拓史を廃止して札幌・函館・根室の3県としたが、これらの県を廃止した

□北海道旧土人保護法制定(1899)

・1997年、アイヌ文化振興法の制定で廃止

 

③通信の近代化

□電信線を東京・横浜間に架設(1869)

前島密の立案で、飛脚に代わって郵便制度が開始された(1871)

・全国均一料金を実現(1873)

万国郵便連合に加入(1877)

□電話を輸入(1877)

・1890年に電話事業が開始された

 

④鉄道の敷設

□新橋・横浜間に鉄道が開通(1872)

□イギリスから資金を募り、イギリス人技術者のモレルを招いて設計

・1889年に東海道本線が全通

 

⑤海運業

土佐藩出身の岩崎弥太郎が郵便汽船三菱会社を経営

西南戦争などの軍事輸送にかかわった

・共同運輸会社(三井などが出資)と合併して日本郵船会社となった(1885)