(16)「貨幣・金融制度の改革」
①太政官札(1868)・民部省札(1869)を発行
□正貨(金貨や銀貨のこと)と交換できない不換紙幣であった
・正貨と交換できる紙幣を兌換紙幣という
②新貨条例公布(1871)
□貨幣の単位を十進法の円・銭・厘とした
・10厘で1銭、100銭で1円
□金貨を本位貨幣、銀貨と銅貨を補助貨幣とする、金本位制を採用
・金本位制とは貨幣の価値を金の存在で裏付ける(保証する)制度
・金本位制では、紙幣の価値は、金貨に兌換できる[という見込みがある]ことによって保証される
□しかし金貨を本位貨幣としながらも、事実上は金銀複本位制となった(以下の理由による)
・紙幣と交換するための金貨が大量に必要となるが、金の準備ができていなかった
・開港場の外国との取引では、銀貨が使用されていた
・清などは銀本位制であった
□貿易用の銀貨(貿易銀)を鋳造し、外国との取引に使用
③紙幣の明治通宝札(不換紙幣)を発行(1872)
④国立銀行条例公布(1872)
□伊藤博文・渋沢栄一が中心となって推進、アメリカの制度を参考にした
□第一国立銀行(三井組・小野組が出資)など4銀行が設立された(1873)
□「国立銀行」とは英語の「ナショナル・バンク」の直訳であり、国立銀行は国立の銀行ではなく民間の銀行である
□民間の力で金貨と交換できる兌換紙幣(兌換銀行券)を発行させることをねらったもの
□太政官札などの不換紙幣の整理が企図された
⑤国立銀行条例改正(1876)
□兌換義務をなくし、不換紙幣の発行を許可した